« 日本製検索エンジンが生まれなかったわけ | トップページ | 開業医の月収231万円 国立病院勤務医の2.3倍に »

2011年11月 4日 (金)

日米ロボット比較

脳表面の脳波から運動の意図を読み取り、ロボットの手や腕を動かすことに、大阪大学の吉峰俊樹教授(脳神経外科)などのチームが世界で初めて成功した113日読売新聞)。これは、「右腕を肩の高さから頭の高さまで上げる」と考えたとき、その意図を脳波から推測して腕型ロボットをその通り動かす技術。精度は不明だが、かなり高度な技術だ。

トヨタは11月1麻痺した足に装着することにより自然な膝曲げ歩行階段昇降アシストするロボットを発表した。開発を担当した、自らも足が不自由だという藤田保健衛生大学の才藤栄一教授は、やや不自然ながら、実用的なレベルでの歩行を披露した。この種のパワーアシストロボットの法的リスクは「転ぶ」ことにある。この点のケアが必要だろう。

最近の日本のロボット開発は、医療・介護分野への関心が高い。微細で正確な動きを要求される介護用ロボットは、日本人の得意分野かもしれない。見方を変えれば、わが国では今後、医療・介護分野が重点政策とされ、多額の国費が投じられるとの見通しがあるのだろう。

私が次世代ロボットに関する政府系会議に参加し始めたのは、もう5年以上前になるが、その当初から、民間からトヨタとホンダ、東京海上と損保ジャパンが参加していた。このことは、自動車メーカーと損害保険会社が、次世代ロボットの市場性に着目していたことを意味する。自動車メーカー中では、トヨタが実用性の高い製品をアピールしだしているようだ。一方ホンダは、ASIMOが進化の限界を迎えてしまったのか、今ひとつ元気がない。

一方アメリカでは、自律歩行ロボットが日本のお株を奪う進化を見せている。これらのロボットは、軍用を念頭に置いていて、悪路を走破するBIGDOGや腕立て伏せをするPETMANの動きは、開発者が兵士の代用品を考えていることを示唆している。これは、日本の厚生労働省に対し、アメリカでは軍がスポンサーになっていることを意味する。特に、PETMANの動きを見ると、TERMINATOR(シュワルツェネガーが演じている方)並の動きをするロボットの実用化は、数年後に迫っていると思われる。

PETMAN

BIGDOG

これはオマケ。

|

« 日本製検索エンジンが生まれなかったわけ | トップページ | 開業医の月収231万円 国立病院勤務医の2.3倍に »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日米ロボット比較:

« 日本製検索エンジンが生まれなかったわけ | トップページ | 開業医の月収231万円 国立病院勤務医の2.3倍に »