日米ロボット比較
脳表面の脳波から運動の意図を読み取り、ロボットの手や腕を動かすことに、大阪大学の吉峰俊樹教授(脳神経外科)などのチームが世界で初めて成功した(11月3日読売新聞)。これは、「右腕を肩の高さから頭の高さまで上げる」と考えたとき、その意図を脳波から推測して腕型ロボットをその通り動かす技術。精度は不明だが、かなり高度な技術だ。
トヨタは11月1日、麻痺した足に装着することにより、自然な膝曲げ歩行や階段昇降をアシストするロボットを発表した。開発を担当した、自らも足が不自由だという藤田保健衛生大学の才藤栄一教授は、やや不自然ながら、実用的なレベルでの歩行を披露した。この種のパワーアシストロボットの法的リスクは「転ぶ」ことにある。この点のケアが必要だろう。
最近の日本のロボット開発は、医療・介護分野への関心が高い。微細で正確な動きを要求される介護用ロボットは、日本人の得意分野かもしれない。見方を変えれば、わが国では今後、医療・介護分野が重点政策とされ、多額の国費が投じられるとの見通しがあるのだろう。
私が次世代ロボットに関する政府系会議に参加し始めたのは、もう5年以上前になるが、その当初から、民間からトヨタとホンダ、東京海上と損保ジャパンが参加していた。このことは、自動車メーカーと損害保険会社が、次世代ロボットの市場性に着目していたことを意味する。自動車メーカー中では、トヨタが実用性の高い製品をアピールしだしているようだ。一方ホンダは、ASIMOが進化の限界を迎えてしまったのか、今ひとつ元気がない。
一方アメリカでは、自律歩行ロボットが日本のお株を奪う進化を見せている。これらのロボットは、軍用を念頭に置いていて、悪路を走破するBIGDOGや腕立て伏せをするPETMANの動きは、開発者が兵士の代用品を考えていることを示唆している。これは、日本の厚生労働省に対し、アメリカでは軍がスポンサーになっていることを意味する。特に、PETMANの動きを見ると、TERMINATOR(シュワルツェネガーが演じている方)並の動きをするロボットの実用化は、数年後に迫っていると思われる。
PETMAN
BIGDOG
これはオマケ。
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