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2011年12月16日 (金)

司法研修所定員割れへ (平成24年12月2日朝読新聞より)

最高裁判所は平成24121日、司法研修所への入所申込者が1035名であったと発表した。今年度の司法試験に合格し、司法研修所への入所資格を得た2169名のうち、約半数が司法研修所への入所を選択しなかったことになる。

裁判官、検察官、弁護士を法曹というが、法曹になるためには、原則として法科大学院を卒業し、司法試験に合格した上、司法研修所に入所し、卒業試験に合格することが必要であり、ここまでで大学卒業後、最短でも4年を要する。研修期間は1年で、期間中は国庫より貸与金が支給され、5年間、返済が猶予される。卒業しても裁判官と検察官になるためには採用試験をパスしなければならないし、採用人数も少ないので、大半は弁護士を志望する。ところが近年、弁護士業界は就職難が著しく、昨年(平成23年)司法研修所卒業生のうち卒業後直ちに弁護士登録できた者は約1400名にとどまり、約400名がこの時点で就職できなかったとみられている。

これを受けて平成24年は、法科大学院受験者数・入学者数及び司法試験受験者数ともに激減。法科大学院受験者数は頭数で3500人程度とみられ、事実上の全入状態。入学者数は約2500人となり、総定員数3800名を大幅に下回った。また、司法試験の受験者数は4937名であり、うち2169名が合格したため、合格率は4割を超えたが、「馬鹿ばっかり」(採点を担当した裁判官)との声も聞かれ、「外交官試験や国家公務員上級試験と並ぶ難関」と言われた時代も今や昔だ。

昭和の時代は合格率が1%台であった代わり、プラチナチケットと言われた司法試験だが、今や合格しても就職すらおぼつかず、4年制大学卒業生の就職率を下回るため、「何のため年数と費用をかけて法科大学院に行き、何の得にもならない司法試験を受けるのか分からなくなっている」(日弁連幹部)。

昨年12月時点で弁護士登録を行わなかった者は上記のとおり約400名だが、登録できた1400名さえ、その3割は給与の支払いを受けない「ノキ弁」とみられており、登録後3年以内の廃業(=弁護士資格返上)者も年100名を超えているため、多くの司法試験受験者は、弁護士を目指す動機を失っている。これが、司法研修所の大幅な定員割れに結びついたとみられる。

法曹志望者の激減は、司法関係者の多くには危機感をもって受け止められている。他方、「司法試験に合格したからといって弁護士になる必要はない。企業に勤め、コンプライアンスの維持向上に努めれば、『法の支配』は社会の隅々に行き渡る」(久保井英明弁護士)と歓迎する声もある。

また、司法研修所の定員割れを受け、多数の密教系仏教徒が来年度の司法試験に挑戦するべく受験勉強を始めたとの情報もある。彼らは、苦行の末司法試験に合格し、研修所を卒業して弁護士になれば成仏でき、即身仏になれると信じているらしい。

注;本エントリはフィクションです。実在する団体又は個人とは一切関係ありません。ちなみに昨年同時期エントリはこちら

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コメント

 このブログは当然のことながら来年の今ごろも継続し、このエントリも閲覧可能と思いますので、
「この記事は平成23年12月16日現在の事実に基づくフィクションです。」
とか注記しておいてはいかがでしょうか。

投稿: なしゅ@東京 | 2011年12月17日 (土) 00時31分

ばかばっかりはそのとおり。企業だってもう採用しない。若くなく、さして優秀であるとの見込みなく、いったい誰が欲しがるというのですか。。法の支配のいったんは任せられる人材でもありませんよ。
試験だけじゃって言いますけど、厳しい試験を通れる基本的な能力が求められているのですよ、そもそも。東大だってそうでしょうに。
結局は超難関一発(実際はたくさん試験を受けますが。。)試験で勝ち残れるだけの忍耐力精神力現場のバランス感覚ってどの分野でも必要ですよ。もちろんさらにプラスアルファがないと最終的に業界内で勝ち残ることは不可能ですが。。
ゆとりゆとりの大量合格時代の新司法試験合格者には、潜在能力すら感じられません。ただの年配新卒にすぎません。
実際結構やることがお粗末だったりするんですよね。(だから旧試験で受からなかったのかとつい思ってしまうようなことやってますしね。)
今いる人材で全くもって十分です。

投稿: | 2012年8月13日 (月) 07時46分

法務部って久保井先生が思ってるようなかっこいい場所じゃないですよ。暗く地味な細かい営業のあら捜しするいやな儲けにならない仕事やってる裏方、社内でみんながもっとも行きたくない場所のひとつ。
営業や企画みたいな儲けて会社に貢献する花形じゃないから、人数が増えれば、弁護士っていったってただの社員以下(だってがんばっても売り上げ伸びないんですもの)。誰が時間とお金かけて行きますかそんなところに。
弁護士で先生先生っていわれてると気づかないんでしょうね。。
まともな優秀な学生が弁護士など目指すはずはない。
上にあるような密教僧とかによってなんかぜんぜん法の支配は意図してない人が弁護士っていう資格をお札のようにもっているのがいいんでしょうか(残念ながら紙くず同然となった資格にもうご利益はないと思いますけど(笑)やっぱり弁護士最強時代1%合格とかにとったものじゃないと、ですね。普通に修行してください)。

投稿: | 2012年8月13日 (月) 08時17分

悪意たっぷりの創作、ありがとうございます。
いずれその悪意は自分に返ってきますよ。

投稿: | 2012年11月12日 (月) 03時06分

ご指摘により新聞名等を変更しました。たしかに、いよいよ、フィクションとはいえない時代が来たようなので。

投稿: 小林正啓 | 2013年11月10日 (日) 21時41分

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