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2011年12月26日 (月)

東工大イラン人入学拒否事件について(1)

平成231220日の報道によると、19日、東京地裁は、イラン人の入学を許可しなかった東工大の決定を違憲・違法と判決した。

判決によると、このイラン人は、平成15年に来日し平成20年に難民認定を受けた43歳の男性で、平成226月、東工大原子炉工学研究所(平成23年12月23日現在アクセス不能)に入学願書を提出したが、大学は、「イラン人への核開発関連分野の教育が行われないよう要請する国連安全保障理事会決議や文部科学省の指導を踏まえ」入学を拒否した。東京地裁の小林久起裁判長は、「(イラン人男性が)難民であるという事実を容易に確認できたのに調査せず、国籍を不当に重視し、不合理な差別をした」と述べたという。

「イラン人への核開発関連分野の教育が行われないよう要請する国連安全保障理事会決議」というのは、平成18年になされた「国連安保理決議第1737」のことであり、官報に掲載されたその和訳には、「(安全保障理事会は)すべての加盟国に対し、イランの拡散上機微名核活動及び核兵器運搬システムの開発に寄与するであろう分野の、自国の領域内における若しくは自国民によるイラン国民に対する専門教育又は訓練を監視し防止することを要請する。」とある(決議17項)。原文は、” Calls upon all States to exercise vigilance and prevent specialized teaching or training of Iranian nationals, within their territories or by their nationals, of disciplines which would contribute to Iran’s proliferation sensitive nuclear activities and development of nuclear weapon delivery systems;”だ。

安保理決議を受け、平成19220日、外務省より文科省に対して、「イラン人研究者及び学生との交流における不拡散上の防止の徹底につき」協力要請があり、これを受けて、426日、文科省大臣官房より国立大学長らに対して「国際連合安全保障理事会決議第1737号を受けたイラン人研究者及び学生との交流における不拡散上の留意点について(依頼)」と題する通知がなされた。これは、平成18324日付、文科省事務次官の国立大学長ら宛「大学及び公的研究機関における輸出管理体制の強化について(依頼)」の徹底を求めるものであり、ここでは、「(安全保障上ゆるがせにできない外為法違反容疑事案が続いている)情勢に鑑み…技術提供が不用意に行われることがないよう、輸出管理の徹底」と、「教育・研究活動を行う上では、貨物の輸出及び非居住者に対する技術の提供等につき規制している外為法の趣旨を十分踏まえる必要がある」として、留学生に対する技術情報提供等への注意を呼びかけている。つまり、文科省の通達は、外為法の遵守を呼びかけているのだ。

では、外為法は留学生に対する技術情報提供をどのように規制しているのだろうか。

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