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2012年2月 9日 (木)

2月10日は日弁連会長選挙の投票日です

日弁連会長選挙の投開票日を明日に控え、情報収集のため訪れた方のため、特定候補の応援にならない範囲で、メモしておきたい。

まず今回は史上初めて、現職の宇都宮健児候補が再出馬した選挙だ。会則上、当選するには18以上の単位会の支持と最大得票を要するが、現職が前者の条件を満たすことは間違いないから、目標は最大得票となる(過半数という説もあるが誤解)。そうなると鍵を握るのは、全会員の約半分を占める東京三会と大阪だが、組織票としては、一弁は山岸候補、二弁は尾崎候補と思われ、東弁は、山岸候補の所属派閥と最大派閥とが同候補支持を表明している。大阪は山岸候補がやや有利か。ただ、どの単位会や派閥も、過半数を占める50期以下の投票行動は掌握できていない。だから、鍵を握るのは東京と大阪の若手、ということになる。

全候補が当選条件を満たさなければ前回同様再投票となる。再投票になれば、『こん日』が売れるから私は嬉しいが、日弁連の利益は何もない。

争点だが、現職再出馬である以上、宇都宮候補の実績をどう評価するかが最大の争点となる。1500人という公約を掲げながら何もしなかったとか、2年やって給費制を1年延ばしただけ、という消極評価もあろうし、守旧派に比べればずっとマシ、地震と原発事故がなければもっとやれた、という評価もあろう。

私が見るところ、宇都宮候補の政策目標は、原発にせよ貧困問題にせよ、給費制、秘密保全法反対や日の丸・君が代強制反対(以上選挙はがきより)にせよ、いわゆる市民運動を日弁連名で行うことにあるし、少なくともこの分野について、同候補が相当の実績と実力を持つことは事実だ。これを日弁連会長の資質や、日弁連のあり方として是とするか非とするかが、判断のしどころと考える。

これに挑戦する旧主流派からの二候補だが、戦いも終盤になって相違点が鮮明になってきた。

尾崎純理候補は、法曹人口問題等当面の課題には対処しつつも、いわゆる司法改革路線は堅持する立場だ。また、実績と政界へのパイプをアピールし、会費軽減の断行を公約している。最近のはがきに「地域社会の正義力」という、やや意味不明のスローガンが出てくるが、地方単位会の意向を重視する趣旨だろう。地方や、若手、法科大学院出身者、司法改革路線支持者等、個々の集団に訴えて票を固める戦略と見受けられるが、浮動票に対する訴求力はどうだろうか。

一方の山岸憲司候補のはがきは、4候補の中で最もシンプルで、「弁護士の業務拡大」と「法曹人口問題の早期解決」の2点に絞り、この順に掲載されている。これは、この2点を重視しつつ、業務拡大を最優先とする趣旨であろう。法科大学院制度を直ちに廃止することも、15000人ともいわれる滞留受験生から受験資格を奪うこともできない以上、現在の閉塞状況を打破するためには、業務拡大しかないという明確なアピールといえる。ただ、即効性のある具体策に乏しいという指摘はあろう。

森川文人候補に対するコメントはあまりない。1990年以前の日弁連に戻すべきだと考える方、司法改革路線は日本を再び戦争に導くと考える方は、森川候補に投票すべきだ。

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