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2012年2月15日 (水)

平成24年度日弁連会長選挙第1回投票結果の分析(3)

平成24年度日弁連会長選挙は、前回に続き決着は再投票に持ち越されたが、宇都宮陣営にとっては厳しい戦いとなった。宇都宮陣営が森川票を取り込み、山岸陣営が尾崎票を取り込む前提で考えると、宇都宮陣営は、総得票数で2800票差を逆転するとともに、山岸支持単位会の増加を阻止する必要がある。

それでは、宇都宮候補が2800票差をひっくり返す条件は何か。

宇都宮候補の支持層は派閥の拘束が弱い若手と目されることから、勝利の条件として投票率の上昇を挙げる見解がある。しかし実は、投票率の高低と宇都宮候補の有利不利に相関関係はない。平成22年度・24年度の選挙で見る限り、投票率が高い単位会では宇都宮候補の得票率が高かった、という分析結果は出てこない。22年度第1回投票と第2回投票を比べてみても、総数ベースで第1回投票の投票率は63.88%、第2回投票の投票率は63.19%で、第2回投票の方が低いにもかかわらず、得票数で宇都宮候補は、2000票を積み増ししている。

しかし、分析を進めるうちに興味深い相関関係を発見した。それは、22年度選挙の第1回投票と第2回投票の投票率の変化と、宇都宮候補の有利不利には、明確な相関関係がある、ということだ。その相関関係とは、「2回目の投票率が下がった単位会ほど、宇都宮候補に有利」という関係である。つまり、国政選挙レベルでの常識に反し、「投票率が下がるほど革新派に有利」なのだ。

下のグラフは、平成22年度選挙の第1回投票と第2回投票の投票率の差が大きかった単位会順にソートをかける一方、単位会ごとの宇都宮候補の得票率の変動を調べ、両者の差を「宇都宮有利度」として表したものだ。この差が大きいほど(例えば、全体の投票率は大きく下がったが、宇都宮候補の得票率は大きく上がった場合)、宇都宮候補に有利と言えるからである。

このグラフによれば、大票田の東京弁護士会では、投票率が78.8%から64.63%14 ポイント減少する一方、宇都宮候補の得票率は35.24%から39.12%4ポイント上昇し、1398票差を、855票差に縮めた。このように、投票率の下がった単位会ほど、宇都宮候補に有利な結果が出ている。

国政選挙の「常識」とは異なる結果だが、派閥との関係から説明が可能だ。一言で言うと、派閥の動員力が強いほど投票率が高くなるので、派閥の推す候補が有利になるのである。

弁護士会の選挙には、冷戦時代の共産主義国の選挙みたいな側面がある。

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