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2012年2月17日 (金)

平成24年度日弁連会長選挙第1回投票結果の分析(5 終)

再投票が決まった平成24年度日弁連会長選挙で、現職の宇都宮候補が勝利するためには、東京3会と大阪の4単位会で、山岸陣営の動員力を低下させることと、これらの単位会で効率よく若手浮動票を取り込む必要がある。

だが、宇都宮陣営としても、若手浮動票の取り込みが可能なら、第1回投票で実現している。そこで問題は、なぜ今回、若手浮動票の支持を得られなかったのか、ということになる。

理由はおそらく二つある。第一は、前回、法曹人口問題の解決を期待して投票した若手の失望だ。現職の宇都宮候補は前回、1500人にすると公約したのに全然実現しなかったし、旧主流派候補も1500人と公約しだしたので、争点が不明確になったということだろう。

若手の失望は理解できるが、『こん日』にも記載したとおり、日弁連は1998年ころ以降、司法試験合格者数を決定する法的権限を形式的にも実質的にも失っているので、たった2年の任期では、どうすることもできないのだ。だから、宇都宮会長が公約を実現できなかったと失望するのは、無いものねだりでしかない。まあ、実現できないことを選挙目当てで公約した方が悪いといわれれば、そのとおりだが。

2010年3月10日のブログに私はこう書い。「宇都宮新会長は、消費者問題では一定の成果を上げるだろうし、新たな切り口から法曹人口問題に切り込むかもしれない。しかし他方、従前の主流派がソフトランディングを目指して築いてきた人脈を失い、法務省や裁判所との信頼関係を破壊するかもしれない。そもそも日弁連は、法曹人口問題の当事者としての地位を失っているのだから、1500人にすると公約したところで、実行する権限が無いのだ。それを知らず宇都宮候補に投票した若手の支持は、程なく失望と反感に変わるだろう」。この予想は、まんま当たったようである。

現職の宇都宮候補が若手浮動票の支持を得られなかったもう一つの理由は、給費制活動が、若手にアピールしなかった点であり、これは私も予想外だった。受験生の友人をもつ若手弁護士にとって、給費制は重大な政策課題であり、特に64期の弁護士2000人は、宇都宮弁護士が会長になっていなければ給費を受けられなかった。若手数千人がこぞって現職を支持すれば、勝負にならなかったはずだ。宇都宮陣営にとっても、64期がこれほど「恩知らず」であることは想定外だったのではないか。

なぜそうならなかったか、私にも分からない。当然再選されると信じて投票しなかったのか、自分が合格した以上給費制などどうでも良いのか、合格者を絞ろうとする現職の動きに幻滅したのか、宇都宮陣営の背後から漂う左翼臭を敬遠したのか、仮説はいろいろ考えられる。いずれにせよ、再投票においては、これら5年目以前の若手を宇都宮陣営が取り込めるか否かが、勝敗の鍵になると思う。(終わり)

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