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2012年3月21日 (水)

勝者なき戦い~日弁連会長選挙再投票結果分析(4)~

再選挙において、宇都宮候補・山岸候補が再出馬した場合、山岸候補が18単位会を獲る可能性は五分か、それよりやや多いと予想する。そうなると、宇都宮陣営としては、総得票数で勝利するほか無くなる。

再投票の結果を見ると、宇都宮陣営は、東京三会での失点が大きい。東京(1612)、一弁(947)、二弁(208)の合計2767票を東京三会で失っている(括弧内は票差)。宇都宮候補が総得票数で勝つためには、山岸候補の総得票数が減らない前提では、最低でも1000票を積み増ししなければならない。ところが宇都宮候補は、東京(1025.25960)、一弁(299309)、二弁(410630)と、得票数をほとんど増やせていない(括弧内は1回目と再投票時の得票数)。

東京三会における宇都宮候補の得票数の動きは、二つのことを意味していると思う。

一つは、再投票での得票数がほとんど増えていないという事実は、現職の宇都宮候補が、東京三会の浮動票に対して、ほとんど何のアピールもできていないことを示す。いいかえれば、給費制復活活動や、法曹人口問題、震災・原発対応等の取り組みが、全く票に結びついていないということだ。したがって、宇都宮陣営としては、この2年間の取り組みを宣伝するという従前の選挙戦を戦う限り、勝ち目はない。再選されたいなら、浮動票に訴える、よほど斬新で説得力のある新公約を打ち出さない限り、1000票を積み増しすることは不可能だ。

斬新な新公約とは、たとえば「司法試験合格者数年1000人」だ。私としては、実現できない公約を掲げることはいかがかと思うし、斬新なだけで説得力がなければ逆効果だと思うが、再選を目指すなら、他に選択肢はない。

もう一つは、投票率の減少にもかかわらず、東京三会における宇都宮候補獲得票は、あまり減っていないことだ。その示すところは、東京三会における宇都宮候補支持票は、かなりコアな支持層であり、いわば宇都宮候補派と言うべき存在ということだ。宇都宮候補の支持層も、結局のところ、派閥であり、それが東京三会では、山岸陣営よりかなり小さいということなのである。東京三会での支持母体が小さい宇都宮は、本来、東京三会の浮動票に訴えなければ勝てなかったのに、今回の選挙では、浮動票層に全くアピールできなかったのである。

もっとも、宇都宮陣営にとって有利な点もある。それは、東京弁護士会が、投票率(74.19%→53.62%)とともに、山岸候補票を大きく減らした(3151.752572)ことだ。この減り方は、やはり投票率を減らした一弁(45.2%→38.63%)が、山岸候補票をほとんど減らしていない(12781256)のと対照的である。

この事実が示すことは、東弁は、派閥の統制力がかなり低下しているということだ。再選挙になって東弁の投票率がさらに低下した場合、宇都宮候補勝利に必要な積み増し票数が減る可能性が高い。減ると言っても、最低500票は積み増さないと、勝利の可能性はないだろう。

「派閥の山岸候補、無派閥の宇都宮候補」という分類があるが、間違っている。宇都宮候補を支持する地方単位会にも派閥があり、投票行動を強く統率している。統率力という点では、むしろ東京三会の派閥の方が弱いくらいだ。浮動票が1、2票という地方単位会があるのに、東京三会(特に東弁・二弁)の浮動票が数千票あるのは、東京の方が派閥の拘束力が弱いことを証明している。ただ、弱いとはいっても、規模が極端に大きいため、統率力が及ぶ構成員の数において、地方の派閥を上回っているだけなのである。

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