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2012年4月20日 (金)

総務省、弁護士増員見直し勧告

【下記は2011年1月27日付記事「日弁連が総務省に噛みついた?」の再掲です】

 総務省行政評価局が主宰する「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会」が昨年12月に発表した報告書に対し、1月25日、日弁連が意見書を提出し公表した。法科大学院制度と法曹人口増員政策の見直しを示唆する行政評価局を牽制しようとする日弁連の意見書については、特に増員反対派から非難が巻き起こっている。

 確かに、日弁連の意見書はひどい。「外野は黙ってろ」と書けば7文字で済むところを、5ページに引き延ばして書いたので、読んで退屈なこと甚だしい。

 なぜ総務省は、文科省・法務省管轄の制度に口を出したのだろう。行政評価局という組織は、もともと各府省の政策評価を行うための機関である。だから、「外野は黙ってろ」という日弁連の意見は筋違いだ。ただ、その評価局自身が、昨秋、中央官庁の既存組織として初めて事業仕分けの対象になる、という赤っ恥をかき、「機動性がない」(2011510日建設工業新聞)とハッパをかけられ、慌てて「機動調査チーム」を作り、大急ぎで7つ選んだ評価対象の一つが法科大学院制度だ。つまり、行政評価局が組織存亡をかけ、その存在意義をアピールする格好の素材として、法科大学院制度を選定したのだ。このことから、法科大学院制度は、政府内部においても、問題が多いと評価されていることが分かる。

 この経緯からすれば、行政評価局は、日弁連が何を言ったところで聞く耳を持たず、「法科大学院数・定員数の大幅削減」「司法試験合格者数年3000人の政府目標は下方修正が妥当」という意見書を出すだろう。何しろ組織存亡がかかっているのだ。日弁連の上記意見書には、守旧派の焦りを自白した以上の意味はない。

 しかし他方、事業仕分けの対象になったような組織が、急ごしらえで作った意見書に、どれほどの効果があるのか、疑問である。また、片山善博現総務相は、昨秋の日弁連司法シンポに、(地方)法科大学院存続支持の立場から出席した経緯もあるので、上記研究会の最終報告書には、それなりの圧力がかかる可能性がある。もっとも、片山総務相にしても、法務・文科相にしても、いつまで大臣でいられるか、分かったものではない。要するに、このお話におつきあいしても、未来は全く予測できない。

 私が思うに、行政評価局がどのような意見書を書いても、日弁連がどれほど抵抗しても、法科大学院数と定員数は削減の方向を歩むだろう。しかし他方、法科大学院制度そのものが廃止されることや、総定員数が3000人を下回るようなことはないだろう。

 つまり、法科大学院数や定員数を減らしたところで、現在の法曹人口問題は全く影響を受けない、ということになる。

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コメント

はじめまして、いつも楽しく拝見しています。

先生は、司法試験合格者数は現状のままだろう。との見解でしょうか?でも、適正な人数を考える・・とフォーラムでも意見が出ているようです。

どうして司法試験合格者数が減らないと考えるのか、教えて頂けますか?(批判ではありません、純粋にお考えが知りたいだけです。)

投稿: | 2012年4月21日 (土) 02時23分

「こん日」に根本的な弱点あり?
福岡県弁護士会公式サイトで認定!!

>>三番手の中村元弥弁護士は元裁判官。『こんな日弁連にだれがした?』という本を意識して、「左翼系」ではない元「世間知らずの判事補」として司法の現状を批判的に解説しているのも面白いところです。私自身は、そもそも「左翼系」とかというレッテルを貼って弁護士会を面白おかしく書こうとする『こんな・・・』の視点自体が根本的な弱点をもっていると考えています。
(福岡県弁護士会「弁護士会の読書」欄での霧山昴こと永尾廣久もと福岡県弁護士会長の「弁護士を生きるパートⅡ」書評より)

http://www.fben.jp/bookcolumn/2011/05/post_2908.html
http://www.fben.jp/bookcolumn/2010/03/post_2458.html
http://hnagao.blog77.fc2.com/

投稿: ぎゃーす | 2012年4月21日 (土) 23時02分

これは少子化であまった大学予算の流用のためにわざわざロースクール作りましたとバレちゃったようなもんですね

財政もきびしいんですから、とっとと廃止して国庫に戻してくださいクソ役人さま

投稿: | 2012年5月 5日 (土) 21時30分

法科大学院の補助金を使う代わりにだまされて司法試験を目指してしまった可哀相な職なし弁護士を雇う補助金にしてやってください。

投稿: | 2012年7月20日 (金) 00時33分

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