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2013年3月 8日 (金)

監視カメラによるデジタルサイネージ

株式会社日立ソリューションズは34日、監視カメラと顔認識技術を利用したデジタルサイネージソリューションの提供を開始すると発表した。

概要は、店舗の入り口に設置されたカメラで客を撮影して、性別や年齢層を判定するなどして、顧客の関心にあったイベントやキャンペーンの案内などを電子看板に表示するというものである。

たとえば、20代の女性が店に入ると、正面のモニターに、20代の女性に向けたセールの案内が表示される、というものである。

デジタルサイネージの未来形と言えば、映画「マイノリティリポート」の一場面が有名だ。これは、町中に設置された虹彩認証装置が個人を特定し、たちどころに店舗の壁面に広告を表示する仕組みである。逃亡中の主人公は、行く先々でデジタルサイネージから名前を呼ばれてしまうため、追っ手をまくために、目玉を闇医者に交換してもらうことになる。

さて、日立ソリューションズの発表は、もちろん、映画ほど先進的な仕組みではない。顔認証と行っても、性別と10歳刻みの年代を判定されるくらいのことなので、プライバシー権侵害の問題は発生しない。撮影した顔画像を録画してマーケティング等に使用する場合には、プライバシー権の問題が発生するけれども、顔画像は録画しないようである。

もっとも、顔画像は録画しなくても、来場者一人一人を特定するほどの分析値を保存し、リピしたときに分かるようにする、というのは、氏名等まで特定しなくても、プライバシー権侵害の問題は発生しうる。

また、この種のデジタルサイネージは、行き過ぎると一種の「お節介」になる。たとえば、ある種の女性が行く先々で「大きいサイズの婦人服売り場」を案内されたり、ある種の男性が養毛剤の広告ばかり見せられたりする場合だ。このとき客が感じる不快感は、今のところ法的問題とは認識されていないが、将来的には、検討の余地があるかもしれない。

 

 

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