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2013年3月27日 (水)

自律送迎ロボットは郵便配達人の夢を見るのか

日立製作所は3月12携帯情報端末で指定した位置へ自律走行ができる任意地点自律送迎機能備えた一人乗りの移動支援ロボット「ROPITS開発したと発表した

同社が発表した写真をみると、一人乗りの小型自動車である。

ショッピングセンターに行くと、3歳未満児用の自動車型カートというのがあるけれど、それを大型にしたような形状だ。

解説によると、このロボットは様々なセンサと高機能GPS、そしてステレオカメラを備え、携帯端末で指定した地図上の任意地点まで歩道自律走行し、指定地点の誤差1メートル以内に到着できるという。すでに2011年よりつくば市のモビリティロボット実験特区で実験を重ね、歩行者や路面の凸凹を回避しつつ安定した走行ができるという。

日立は、この技術を物品の自動配送や人間の自動送迎に応用していくという。

なるほどすごい技術だとは思うが、法律的に見ると、技術が現実化するほど実施困難さが際立つようにも思う。

まずは道路交通法上の問題がある。ROPITSが同法上何に分類されるかは、よく分からない。報道資料上「歩道を走行」と明記しているのは、歩道を走行する以上道交法上の問題はない、という理解かもしれない。だが、仮にそうだとしても、物理的に通れない歩道に直面したときはどうするのだろう。つくば特区の歩道は広くて平らだろうが、お年寄りの多い町並みは概して古いので、狭かったり段差のあったりする歩道は多い。

なによりも問題なのは、安全性だ。ごく低速でしか走行しないだろうから、ROPITSが人を轢いたりはねたりということはないのだろうが、人を乗せて走行中に自動車に接触したり、転倒したりして乗員に怪我をさせる、ということはありうるだろう。その場合の法的責任を考えると、結構難しい。

また、「指定位置の誤差1メートル以内に到着できる」というのは、おそらく全く実用にならないレベルだ。例えばお年寄りが携帯端末上の地図から自宅を指でタップした場合、ROPITSが玄関先に来てくれることを期待している。だが、そのお年寄りが玄関先をタップしたとは限らないし、それどころか、隣の家をタップしてしまったかもしれないのだ。しかも、玄関先の形状や起伏によっては、お年寄りが安全に乗降する場所に停車するには10センチ単位の正確性が必要になるだろう。ROPITSが玄関先の階段に正確に横付けできなかったため、無理して乗り込もうとしたお年寄りが転倒して怪我をした場合、運行事業者は法的責任を免れない。

このような事故は、ゴルフカートの誘導システムと同様、道路に電線やセンサを敷設することによって、ある程度回避することができるし、街ごと電線を敷設しても、費用はさほどかからないと思う。ただ、それなら高機能の自律移動型ロボットを開発する意味があるのか、という話になってしまうのが、辛いところである。

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