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2013年4月 4日 (木)

日弁連は、沈黙すべきである(2/3)

 本稿は、大阪弁護士会月報の本年3月号「法科大学院についての私の考え(連載6回)」の第6回掲載記事に、若干の加除をして転載したものです。

 

法曹養成制度の未来

 

注目すべきは予備試験だ。昨年度予備試験合格者中、現役大学生の最終合格率ほぼ100%という事実は、登竜門としての存在を知らしめた。今後、日本のトップエリートを目指す大学生は、在学中に予備試験を受けるし、もし落ちても法科大学院に行かない。行っても二番手止りだからだ。法科大学院から優秀者が消えるため、予備試験合格者への、熾烈な青田刈り競争が始まる。司法試験を所轄する法務省は、人材確保のため、最高裁の支持を得て、予備試験枠を拡大するだろう。司法研修所では、予備試験組しか判検事になれないから、教官らも、その前提で処遇する。事実上の分離修習である。

予備試験枠が200名になれば、最高裁にとって、司法研修所は不要になる。予備試験組の最高裁事務総局付判事が「デキの悪い1800人に出す予算があるなら、判事補100人の養成に使うべきだ」と言い出すのは、時間の問題だ。下位合格者は弁護士以外に職を求め、研修所にすら行かない者も増えて、不要論に拍車をかけるだろう。すでに、裁判所と検察庁は、立派な研修施設を擁している。

他方、法科大学院組も、上位合格なら厚遇が期待できるから、「司法試験」より「合格順位」が重要になる。上位校では、合格率の高さが優秀な学生を集め、さらに合格率を高める好循環となり、修了一年目の合格率が89割に達する。優秀者が上位校に集中する結果、合格率7割以上を保つ法科大学院は30校以下、そのうち、上位者輩出校は10校以下になるだろう。その他の多くは廃校するだろうが、もともと合格率ゼロだから、法曹養成と無関係である。

つまり、日弁連が発言しても沈黙しても、法科大学院は、実質、半数以下に減る。優秀な学生と教員が集中することにより、教育の質は向上するし、奨学金等の支援も集中するから、人材の多様性(南[1])も確保できる。最優秀の学生が来ない点を除けば、当初の理念が実現するわけである。

めでたし、めでたし。

 


[1] 南和行弁護士 本連載第3回(12月号)執筆者

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