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2013年5月29日 (水)

Google Car は日本の公道を走れるか?

Google Carのような自律走行型ロボットカーが実用化の段階を迎えつつある。

交通規則を遵守し、自動車内外の安全を確保しつつ任意の地点まで自律走行する機能を備えたロボットカーは、日本の公道を走れるだろうか。

問題となるのは、道路運送車両法と道路交通法だ。

道路運送車両法上、「自動車」とは、「原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具」であって、原動機付き自転車以外のものをいうとされている(22項)。Google Carは、既存の自動車に自律運転装置を備え付けたものであり、それによって自動車が自動車でなくなった、とはいえないから、道路運送車両法場の「自動車」に該当すると思われる。したがって、所定の登録等を行えば,問題ないようだ。

他方、道路交通法は、自動車を「自動車 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外の」車両をいう、と定めている(29号)。Google Carが、既存の自動車に自律運転装置を備え付けたものである限り、道交法上の「自動車」に該当することは明らかと思われる。

しかも、道路交通法の第3章「車両…の交通方法」の条文はどれも、「車両は…しなければならない」と書いてある。それならば、自律的に交通法規を守る能力を備えたGoogle Carは、何の問題も無く公道を走れそうだが、おそらく、そうではない。なぜなら、法律は「人」を名宛人としているからである。

例えば、道路交通法1711号は、「車両は…車道を通行しなければならない」と定めている。これは一見、「車両」に法的義務を課しているようによめるが、もちろん、そんなことはない。その違反について定める11912号の2は、「第17条…の違反のなるような行為をした者…は、3月以上の懲役又は5万円以下の罰金に処す」と定めている。この「者」とは人間を指す。だって、Google Carを刑務所に入れても処罰にならないし、罰金も取れないからね。だかと言ってGoogle Carが交通違反を犯す度にGoogleの社長から罰金を取ることもできない。要するに、法はGoogle Carの出現を予定して規定されていないのだ。結局のところ、Google Carは、道路交通法の定める「車両」にはあたるが、人間が運転しない限り、同法の適用を受けない、ということになる。

では、Google Carに日本の公道を走らせることは、道路交通法上、どうなるのだろう。これはおそらく、人の乗っていない牛や馬が勝手に公道をうろついている場合と、同じ取り扱いを受けるのだろう。つまり、道路の管理者(警察)は、道路管理権に基づいて、所有者の承諾無く、Google Carを実力で捕獲できる、ということになる。

なんだか変だが、もともと法が予定していない以上、まあ、しかたがないのかもしれない。

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コメント

2級身障者で5級視覚障害(半盲)の私にとっては、1日でも早く、障害者向けに 日本でも、公道走行出来るように、認可(法改正)を して欲しいです。色々な問題点はあるでしょうが、万が一の 事故への対応は、任意保険(対人対物無制限)への 加入を義務図けるようにするなどの、段階的処置方法で、問題点をクリアしていく方法などを検討していくといいと思います。
身障者にとっては、早く実用化してもらいたいです。

投稿: 鮫島 孝之 | 2013年9月 1日 (日) 12時30分

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