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2013年10月11日 (金)

顔認証について

108日、J-WAVEのMORNING VISIONという番組で、俳優の別所哲也さんと、電話で話をする機会があった。

話題は顔認証。

顔認証とは、カメラで人の顔を撮影すると、自動で誰かを認証するシステムである。既に、アルバム整理ソフトなどに導入されているが、撮影状態が良ければ、9割以上の確率で本人認識が可能だ。

顔認識のやり方は、目を中心とする顔の特徴点をとらえ、その位置関係をもとに本人を割り出す。目の位置は変えられないから、整形手術や多少の変装では、コンピューターを騙せない。現在は、防犯カメラ画像から指名手配犯人を捜したり、入国審査時に、テロリストやフーリガンを摘発する用途で実用化されている。

顔認証が社会に本格的に導入されれば、免許証やパスポート、会員権などが不要になる。文字通り「顔パス」になるのだ。印鑑や、預金通帳すら不要になるかもしれない。

しかし、よいことばかりではない。顔認証の浸透した社会は、全部顔パスの便利な社会かもしれないが、いつどこにいても監視される、重苦しい社会かもしれない。問題になるのはプライバシー権との関係だ。

トム・クルーズが主演した映画「マイノリティリポート」は、虹彩認証で市民を管理する監視社会が舞台だ。無実の罪を着せられ追われる身となった主人公は、ヤミで眼球を取り替える手術を受ける。だが、顔認証の場合、おいそれと顔を取り替えるわけにはいかない。まあ、眼球を取り替えるのも無理だが。

コンビニなどでは、客の顔画像から性別や年代を割り出し、マーケティングに使用するシステムが導入されている。こう聞くと気持ち悪がる人もいるかもしれないが、個人を特定しないので、法的には問題ない。

また、パチンコ店では、いわゆる「ゴト師」の顔を登録していて、店の防犯カメラに写ったら警報が発せられる仕組みを導入し始めている。

指名手配犯人を顔認証システムで追い詰めることは歓迎だが、トム・クルーズ演じた主人公のように、無実の罪を着せられないとも限らない。指名手配犯によく似ているというだけで、しょっちゅう警報を鳴らす人がいるかもしれない。反原発デモに参加した大学生が、当局によって顔を撮影されたために、就職の機会を失うかもしれない。

つまり、顔認証システムを導入するためには、プライバシー保護法制の整備が不可欠である。しかし、わが国のプライバシー保護法制は、欧州などに比べ、とても遅れている。個人が、不当に顔認証システムに登録されないように自衛する手段はほとんどない。せいぜい、ネットに不用意にプライバシー情報を公開しないことくらいしかないだろう。

だいたいこんなことを話した。それにしても、別所哲也さんは、ベテラン俳優だと思っていたが、年下だったのには驚いた。そこかい。

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