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2014年1月17日 (金)

顔認証技術の現在について(3)

ここ十年で長足の進歩を遂げたとは言え、人間の能力には遙かに及ばない顔認識技術だが、数年後の技術水準を前提にした場合、どのような使い道があるのだろう。

顔認識技術の主流は、顔の輪郭や目鼻口といったパーツの位置関係を計測して数値化し、個人を特定していくものだ。計測箇所は100箇所を超えるので、多少の変装は見破れるし、幼少時の写真から大人の顔を識別することだってできる。ただ、正確に個人を特定する能力はというと、まだまだである。光量や光源、顔の向きや近さなど、あらゆる環境が好条件でも、9割を超える程度だろう。すごい!と思われるかもしれないが、個人を正確に特定する必要のある業務(例えば入管など)では実用に耐えない。

とはいえ、人間が補助することを前提にすれば、様々な使い道が考えられる。たとえば、警察が、保存された防犯カメラの画像から犯人の逃走経路を捜査するとき、現在は、提供された画像データを人間が延々再生している。だが、顔認識技術を使えば、ソフトウェアが犯人に「似た」画像をハードディスクから自動的に探し出してくれる。指名手配犯であれば、防犯カメラシステムにあらかじめ手配写真データを入れておけば、指名手配犯に「似た」人物が写ったらアラートを鳴らすことも可能だ。あとは、人間が画像を見て、犯人であるか否かを確認すれば良い。

この仕組みは、捜査に要する人的資源を大いに節約することになるだろう。実際にも、パチンコ店など、特定の店舗では実用化がはじまっている。ただし、防犯カメラシステムごとに違う画像のフォーマットにどう対応するかなど、技術的なハードルは高い。

グーグルは、顔認証技術をネット上の検索に用いることを研究している。聞いたわけではないが、間違いないと思う。特定の顔写真をネットにアップすれば(ネットに接続したコンピューター内でも同じ)、世界中のウェブページから同一人の画像や関連する画像を検索する仕組みだ。Picasaが個々のコンピューターでやっている作業を、ネット上で行う仕組みと言えば、理解しやすいかもしれない。

「画像検索」なら現在もあるが、これは正確には、画像につけられた名前などや、画像の掲載されたページのテキストを検索しているものであり、画像そのものを検索しているわけではない。

画像検索のメリットはいろいろあるが、その一つは「言語の壁がない」ということだろう。

テキスト検索と、画像検索を組み合わせる技術も、近未来には実用化される(グーグルが研究していることは間違いない)。再び捜査の例でいうと、逃走犯人の写真データがないとき、「30歳代の白人男性、身長約170センチ、金髪で目は茶色、グリーンのデイパックを所持」といったテキスト情報を入力するだけで、該当する画像データを探してくる技術だ。

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