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2014年4月18日 (金)

永遠に0

司法試験に失敗して人生の目標を失いかけていた健次郎は、実の父親である宮部久造が、旧司法試験や医師国家試験など、あらゆる資格試験に合格して「資格の撃墜王」と呼ばれていたことを知り、興味を持つ。旧友を訪ね歩いて知った父の人生は、壮絶なものだった。

「資格の撃墜王」と呼ばれ、弁護士として成功していた久造は、ある法科大学院から教授就任を要請される。設立以来、一人の司法試験最終合格者すら出せず、存亡の危機に立たされていた法科大学院は、起死回生のため、破格の待遇で久造を迎えたのだ。期待に応えようと久造は、学生相手に、あらゆる知識と技能を伝授するが、不利な戦況を挽回できず、最終合格者を出すことはできなかった。

ある旧友は、このころ、久造の独白を聞いたという。

「私は、法科大学院制度の設計者の気持ちが理解できない。なるほど、制度の理念は立派だ。優れた教育をほどこせば、優れた人材が育つのは道理だろう。だが、司法試験は教育だけでは合格できない。なによりも才能だ。努力は誰にでもできるが、才能の有無は、自分自身にすら分からないのだ。合格できると信じて、無駄な努力を重ねる若者の人生を、制度設計者は考えたことがあるのだろうか」

久造の奮闘も虚しく、その法科大学院は廃校が決まった。その日、佐藤幸司院長は、久造を呼び出し、卒業証書を渡すとともに、司法試験の受験を命じた。

「自分は一度司法試験に合格しております。なぜ、再び受験する必要があるのか、理解できません」と抗議する久造に対して、佐藤院長はこう言い放ったという。「君に愛校心はないのか。君が受験して合格しなければ、当校出身の司法試験合格者は永遠にゼロになってしまう。」

命令は絶対である。しかし再受験に意味を見いだせず、悶々とした日々を送った久造は、受験会場で突然立ち上がり、爆弾を抱えて窓から飛び降りた。爆弾は不発で、久造は爆弾と地面に挟まれて即死した。

父の無念を知った健次郎は、その死を無駄にしてはならじと、来年の受験に向け、闘志をたぎらせたのであった。

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コメント

最近、想像力のない法曹資格者が多いのが残念。
資格と実務能力は違う。
あの鼻につくプライドは、どこからきているのか甚だ疑問。

投稿: はるな | 2014年4月18日 (金) 10時31分

あんた、昔はもう少しまともなこと書いてたように思うんだけど。
がっかりです。

投稿: | 2014年5月 4日 (日) 09時12分

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