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2014年4月21日 (月)

ターミネーターと鉄腕アトムと顔認証について

近未来。核戦争後の世界を支配するコンピューターのスカイネットは、反乱軍のリーダーであるジョン・コナーを歴史から抹殺するため、1984年のロサンゼルスにターミネーターを送り込み、母親を殺害しようとする。だが、ターミネーターが持つ情報は、サラ・コナーという名前と、住んでいた街のみ。そこでターミネーターは、その街に住むサラ・コナーを片っ端から殺害していく…。

この話の眼目は何か。それは、このターミネーターは顔認証ができなかった、ということである(そうか?)

ターミネーターがもともと顔認証機能を有していなかったのか、それとも、未来世界にはサラ・コナーの写真が全く残っていなかったのか(映画では、たった一枚しか写真が残っておらず、それはジョン・コナー自身が持っていたとされている)分からないが、いずれにしても、顔認証ができなかったため、ターミネーターは、同姓同名の人間を片っ端から殺害するという、不細工な方法しか採れなかったし、そのため本命のサラ・コナーは、同姓同名の人間が次々殺されるというニュースを見て、先手を打って逃亡を試みることができた。また、偶然にも最初に、本命のサラ・コナーが殺害されたとしても、ターミネーターは他のサラ・コナーを殺害し続けただろう。ターミネーターが顔認証できなかったため、他のサラ・コナーは、大変な迷惑を被ったわけである。

顔認証システムが成熟してきたためか、最近急に、話題に上ることが多くなった。だが、大阪駅構内での実証事件が延期に追い込まれるなど、顔認証システムにとっては、逆風ともいえる環境となりつつある。顔認証技術と聞くだけで、プライバシーを侵害する危険な技術、という固定観念ができつつあるように思う。

だが、顔認証技術は、人の行動監視にのみ用いられるわけではない。なにより、コミュニケーションロボットといわれる、次世代ロボットの一つのカテゴリに必要不可欠な技術である。人間との会話を通じて、介護や生活支援を行う次世代ロボットは、カメラで相手を認識し、その人の情報を参照しながら、必要な活動を行っていくからだ。

鉄腕アトムもドラえもんも、顔認証機能がなければ存在しえない。もちろんプライバシーとの調整は必要だが、顔認証と聞くだけでアレルギーを起こす最近の風潮も、問題だと思う。言い古された言葉だが、問題は技術ではない。技術を鉄腕アトムに実装するのか、ターミネーターに実装するかは、人間の選択の問題なのだ。スカイネットに支配されない限りは。

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