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2015年2月 5日 (木)

商業ドローンの実用化と道路交通法の改正について

経済産業省は1月23ロボット新戦略公表した

内容は多岐にわたるが、今回はドローン実用化に必要な法整備について触れておきたい。というのは、同戦略は「航空法等」の改正について検討すると書いていて、少し心配になったからだ。

現行航空法は、「航空機」を有人機に限定しているから、プレデターのような大型無人飛行機は、現行航空法上の航空機に該当しない。したがって、現行航空法を無人機に適用できるよう、改正することが必要となる。しかしこれは「航空機」の定義の問題に過ぎない。飛行中や飛行場でのルールをどうやって無人機に守らせるか、ハイジャックならぬ電波ジャックなどの犯罪行為をどうやって禁止するかなど、面倒くさい法改正事項は多いだろうが、立法技術的な問題であり、平たく言えば力仕事である。

むしろ、『ロボット新戦略』に即した場合の問題は、「ドローン」すなわち小型無人航空機の商業利用を可能にする法的インフラの整備だと思う。この問題において、航空法の改正は、必要かもしれないが、本質ではない。そのあたり、経済産業省は分かっているのだろうか。

ドローンは航空法上の「模型航空機」に該当する。航空法施行規則209条の4は、模型航空機を地上250メートル以上の高度で飛行させることを禁じているが、ドローンは地上数十メートル程度を飛行するものだから、もともと、有人飛行機との棲み分けはできている。

むしろ問題は、地上数十メートルを商業飛行させるに際して障害となる、さまざまな法律である。たとえば民法207条は「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定しているから、他人の土地の上空を飛行させることはできない。また、公道上空を飛ぶことは道路交通法違反になる。これでは、ドローンに宅配させることはできない。また、民有地にはビルや大木があったりして飛行の妨げになるし、民有地の上空でドローン同士の衝突や荷物の落下が起きることは、非常にやっかいな問題を生むことになる。

現実的な解決策は、道路交通法を改正して、道路の上空にドローン専用の「空域」をつくり、電波による空路に沿ってドローンを飛行させることだろう。この空路はもちろん立体交差になっているので、信号は不要だから、時速30キロ程度で飛行するドローンでも、都会ではバイクより速い運送手段となるだろう。また、道路の上なら、荷物を落としても、直接人間に当たる可能性は比較的低い。そこで、ドローンには電波による空路を(ビル風に負けず)正確にトレースする装置や、衝突防止装置、荷物落下を防ぐ多重機構の具備が義務づけられることになろう。

改正の方向性としては、道路交通法の適用範囲を道路の上空何メートルまで、と限定して、それより上(かつ航空法の空域より下)に適用される別な法律を作るか、道路交通法そのものの中に、ドローンに適用される条項を設けるか、ということになる。国際標準の策定も必要だ。

いずれにせよ、国土交通省と警察庁との権限争いになるだろうが、是非早期に実現してほしいと思う。ビルの谷間を、ドローンが整然と飛行する時代は、すぐそこまで来ているのだから。

 

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コメント

本当にドローンがビルの谷間を飛行する時代が来ると思っているのでしょうか?
道路の上を飛ばせばよい????
空を飛ぶものは墜ちるということをないがしろにした意見ですね。
何百億円もする旅客機でも墜ちるんですよ。
ロケットだって墜ちる。
マルチコプターが墜ちないわけないでしょう。
それで、人間に当たる確率が低い道路の上ならば良い??
運転していて突然マルチコプターが目の前に墜ちてきたら
大事故につながるのは目に見えています。
それがたとえ軽い荷物であっても同様です。
パラシュート?
風に流されてどこへ行くか解らないんですよ。
変電所にでも墜ちたら町中がパニックになります。
マルチコプターについてどれほど勉強されたのでしょう。
我々は5年前から取り組んでいます。
昨今、間違った情報、いい加減なアナウンスがあふれています。
出来もしないことを出来ると言って高額で機体を大企業に
売りつけている業者も多数存在します。
千葉大学の野波教授に至っては、国産国産と叫びながら
実はほとんどが中国製のパーツを使用した機体を
売りつけています。
最近国産ドローン工場を立ち上げましたが
金儲けの臭いがぷんぷんしています。
あれほど「国産」にこだわっている教授の研究室には
中国の方も参加しています。
というより、中国の技術者を招いています。
その技術者とは私は中国でお会いしたことがありますが
ラジコン好きの只のオヤジです。
中国からのパーツの調達がスムーズになるのは確かですが・・・・。

記事を書くなら、もっと勉強されたほうが良いのではと感じます。

投稿: | 2015年3月16日 (月) 23時50分

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