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2015年4月 1日 (水)

地方裁判所大幅削減へ

最高裁判所は1日、全国に50箇所ある地方裁判所を統廃合し、全国の高裁所在地(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)の8つに縮小する案をまとめ、裁判所法の改正案とともに内閣に提出した。他の39府県にあった42の地方裁判所は支部に格下げとなり、従前の支部は全て廃止されることになる。

地方裁判所統廃合のきっかけは、平成27年の民法改正にあったといわれている。契約関係法が大幅に改正されたことを受け、翌平成28年、消費者庁は契約関係のトラブルを解決するためのADR(裁判外紛争解決期間)を設置した。代理人弁護士を立てる必要がないことや、申立費用がかからないこと、早期に解決すること(統計によれば平均3ヶ月間)、県庁所在地のみならず、全国のほぼ全部の市で実施されたことが人気となって、申立が殺到した。他省庁もこれに追随し、医療・労働紛争ADR(厚生労働省)、製品事故ADR(経済産業省)、騒音・悪臭ADR(環境省)観光ADR(外務省)、農業ADR(農林水産省)、防衛ADR(防衛省)などが次々と設置されたほか、各市町村が離婚にともなう親権や慰謝料等のトラブルを調停するADR(「明石方式」と呼ばれている)をはじめることになった。

その結果、裁判所に提起される民事訴訟は激減。平成30年には、平成20年の5分の1となり、地方によっては「民事事件は1年に10件来ればよい方」(山陰の某地方裁判所所長)という事態になった。最高裁判所はこれを受け、地方裁判所を大幅に削減し、全国8箇所に集中させるとともに、ADRでも解決しなかった複雑な事件に特化した司法サービスを行いたいとしている。

刑事事件も高齢化に伴い減少しているし、少年事件も、少子化により減少の一途をたどっている。最高裁は、刑事裁判所や家庭裁判所の大幅統廃合にも取り組むとしている。

なお、地方裁判所所在地ごとに設置されている弁護士会も、地方裁判所の統合にともない、全国8弁護士会に統合される見通し。村越日弁連会長は「寂しいが、これも時代の流れ。弁護士の多くはADR専従職員として各省庁や市町村に就職しているし、刑事事件は法務省が管轄する法テラスが対応することになるので、弁護士会内でも目立った混乱はない」と述べた。

日弁連の事情に詳しい小林正啓弁護士「ぼ、防衛ADRって、何するんですか?」

 

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