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2015年9月24日 (木)

改正航空法で規制されるドローンの「重量」について

 平成2794日、改正航空法が成立し、同月11日に交付された。3ヶ月後の1211日までに施行される。916日、航空法施行規則の一部を改正する省令、及び無人航空機の飛行に関する許可・承認の申請・審査要領が国土交通省のサイトで公表され、1016日までのパブリックコメントに付された。

 

 いろいろ問題はあるが、ここでは「重量」について触れたい。

 

 さて、改正航空法は、新たに「無人航空機」というカテゴリを設け、これに該当するドローンに対して、一定の規制を及ぼすことにした。その定義は、次の通りである。

 

  1. 航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、

  2. 遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの…をいう。

  3. ただし、その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。

 

 以上の通り、改正航空法は、「無人航空機」に該当する場合であっても、「重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるもの」を規制対象外にすると定めた。これを受け、公表された航空法施行規則案では、「重量が200g未満のもの」と定めるとしている。

 

 だが、200gは軽すぎるだろう。鳩ですら、だいたい400500グラムあるのだ。これでは、玩具のドローンですら、大半が含まれてしまう。改正航空法施行規則案では、国勢調査の結果による人口集中地区をドローンの飛行禁止区域と定める予定であり、これによると東京23区の全部や大阪府の大半はもとより、ほとんどの都市部が含まれることになるから、この地域に住む人たちは、いちいち許可を得なければ、河原でも校庭でもドローンを飛ばせなくなってしまう。いわゆるドローンだけではない。いままで自由に飛ばせた、ラジコン飛行機やラジコンヘリも同様だ。

 

 国土交通省は、航空法改正の背景として、「無人航空機を使用する事業の健全な発展等を図る」必要があるとしている。だが、同省は、改正航空法によって、多くの少年少女がドローンで遊べなくなることに考えが及んでいない。ドローンを事業として育てるためには、何より、ドローンの開発や操縦に優れた子どもを見つけることが必要なのだ。これは私だけの意見ではない。先日会ったオビ=ワン・ケノービと名乗る男性もそう言っていたし、何やら、素晴らしい才能を持った男の子を見つけたと興奮気味に語っていた。

 

 また、航空法1条の定める目的の中に、「地上及び水上の人及び物件の安全」は含まれていない。「地上の人にちょっとでも怪我をさせるおそれのあるドローンは全部規制してしまえ」という発想は、航空法の目的を逸脱しているし、日本の行政機構が陥りがちなパターナリズム(父権主義)の典型と言えよう。もっとも、まともな父親なら、自分の子どもがドローンで遊ぶのを禁止したりしないけどね。

 

 昨今ドローンをめぐる事故や犯罪が頻繁に報道され、ドローン規制法を必要とする背景となっている。だが、日本では、ドローンが人を殺したことは、ただの一度もないと思う。

 平成27年5月31滋賀県東近江市のふれあい運動公園であった「東近江大凧(おおだこ)まつり」で、縦13メートル、横12メートル、重さ約700キロのたこが、見物客の集まる会場に墜落し男性一人が死亡した200グラムのドローンを禁止するなら、700キロの凧を禁止する方が、3500倍必要だろう。

 

 

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