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2016年2月12日 (金)

弁護士人口ピラミッドの将来予測

明けましておめでとうございます。

年初以来ブログが更新できなかった最大の理由は、日弁連会長選挙に関わったからである。今回いわゆる主流派から立候補した中本和洋弁護士(大阪弁護士会)とは、同じ会派に所属して近しい関係にあり、応援することになった。加えて、データベースの構築や管理を一手に引き受けたため、選挙期間中、全く時間がとれなかった。

選挙も終わったので、上記の立ち位置から選挙を経験して感じたことを、数回に分けて記したいと思う。

今回は「弁護士人口ピラミッド」のお話である。

日弁連会長選挙に向けて、有権者である会員のデータベースを構築して気づいたのは、その人口分布のいびつさだ。

 

 

Kibetu_bunpu_2

 

頭では分かっていても、形で見ると、近年の人口増の極端さには改めて驚く。

しかも、このグラフは正確には「人口ピラミッド」ではない。なぜなら、ピラミッドのような末広がりではなく、花瓶のように底辺に向け収束しているからだ。これは、ここ数年の合格者人口抑制の結果である。

この「人口花瓶」は、これからどう変化するだろうか。予測してみた。

将来予想にあたっては、今後8年間で、弁護士登録数が年100人ずつ減り、800人で止まると想定した。司法試験合格者数でいうと、年1000人まで減少し、任官は200人という想定である。また、上位10期の先生方には、失礼ながら毎年1割ずつご退場いただく想定にしている。

以上の想定に基づき、25年後の2041年までを予測したグラフは、次の通りである。

 

 

Kibetu_bunpu_yosou_2

こうやって見ると、軽く寒気が走りますね。いうまでもなく、人為的に作り出されたこの「団塊の世代」の未来に対して。

グラフで明らかなとおり、1期あたり2000人を超えた60期から62期までを頂点とする、59期あたりから75期あたりまでの「団塊の世代」が、人口比として突出したまま、今後25年以上、推移することになる。この世代だけで、27000人を超える。たとえば同世代での競争率は、40期台の4倍を超えている。60期といえば、独立する人は独立を終えている世代だ。しかも、独立や結婚、子育てや学費にコストのかかる時期を迎えている。彼らの競争は熾烈を極めていることだろう。

しかも、競争はますます厳しくなる。

下のグラフは、上記想定で算出した弁護士人口の推移と、日本の人口に関する公的な統計・予測とを組み合わせたものだ。弁護士人口の増加と、人口の減少は、きれいなX字を描いて交差している。

 

 

Jinkouhi_2

 

ちなみに、日本人の将来人口を弁護士の将来人口で除し、弁護士一人あたりの国民数を算出したグラフは、次の通りだ。

 

 

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弁護士一人あたりの国民数は、2000年には7411人だったのが、2015年には3477人と半減以下、2040年には1947人となり、40年間で4分の1近くに減少する。これで2040年の弁護士が、2000年と同レベルの事件数や収入を確保しようというのは、どだい無理な話だろう。

もちろん、この予測はかなり大雑把である。弁護士一人あたりの事件数等を予測するため必要な資料としては、人口のほか、企業数や、GNPなどがあろう。だが、これらの資料の中で、今後25年で数倍の成長が見込まれるものがあるのだろうか。あったら指摘してください。お願いだから。

 

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コメント

頑張って、取り扱い事件の金額が大きくなるような制度とか、複雑な規制を導入しないと厳しそうですね。あと、弁護士を社外取締役に選任しなくてはならないとかいう規制もありかもしれません。こういうのは極端すぎるんでしょうけど、いずれにしろ弁護士はロビー活動が下手くそすぎますよね。

投稿: 通りすがり | 2016年2月13日 (土) 16時41分

通りすがりの一般人です。上記のコメントのご意見「規制を導入」して
もっと司法に対する需要が増えるようにすべき、とのことですが、ユーザー(一般市民)に何のメリットがあるのか全く分かりませんね。単にあなたがた弁護士を養うためだけの規制強化だとしたら、ざけんなそんな規制大反対だよ、と声を大にしていいたいです。ブログ主のせんせいがこれと同じご意見をおもちかどうか知りませんが敢えて言わせていただきます。あなた方の食い扶持を稼ぐために一般市民は社会生活を送っているわけではありません。あらゆる業種業界において需要と供給が時々刻々変化するのは当たり前ですし、浮き沈みがあるのも当然です。
それが弁護士業界に起こったからといって何の不思議もありません。別に司法に対する需要がゼロになるわけではないのですから、業界内で勝ち抜いて商売をやりくりしたらいかがでしょうか。上記コメントの方は「極端な例」とはしていますが、極論であっても一般市民としては看過できないレベルです。弁護士としてのプライドをおもちでしたら、自らの食い扶持を稼ぐためにロビー活動をして一般市民にしわ寄せをするようなゲスなことをいうのはやめていただきたいです。

投稿: とおりすがり2 | 2016年12月30日 (金) 18時19分

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