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2017年6月19日 (月)

「防犯カメラ」の二つの意味について

個人情報保護法は、取扱事業者に対して、個人情報の利用目的を「できる限り特定しなければならない」し、「予めその利用目的を公表する」か「速やかに、その利用目的を本人に通知し又は公表しなければならない」と義務づけている。そのため、街頭などにある一般的な防犯カメラについては、「防犯カメラ作動中」などの張紙がなされている。

だが、「防犯カメラ」の目的は「防犯」ではない。厳密に言えば、直接的な、あるいは第一次的な目的ではない。

なぜなら、防犯とは、犯罪が起きる前に、犯罪を防止することだからだ。犯罪が起きた後の対応を防犯とはいわない。この違いは、「防火」と「消火」の違いと同じだ。

防犯カメラの目的は、犯罪を記録し、その記録を犯罪捜査や司法手続きの証拠とすることにある。そこから派生して間接的又は二次的に犯罪者に萎縮効果を与えて犯罪を予防することもあるが、これらは直接的あるいは第一次的目的ではない。従って、個人情報保護法上「できる限り特定しなければならない」防犯カメラの利用目的は、本来、「犯罪の記録と証拠化」であるべきだ、ということになる。

ただ、この点について特段文句も出ず、「防犯カメラ」との呼称が受けいれられているのは、「防犯」の意味の中に、「犯罪の記録と証拠化」が含まれるという社会的合意が存在するからである。

ところで、以前のエントリで紹介した最新型の防犯カメラシステムは、万引犯の画像をあらかじめ登録しておき、犯人が来店すると警報を鳴らす。これは、犯罪の発生をあらかじめ防止するものだから、言葉本来の意味での「防犯カメラ」ということになる。

すると結局、従来型の一般的な「防犯カメラ」と、最新の「防犯カメラ」システムは、同じ「防犯」目的を掲げているものの、その機能や、個人情報の利用のありかたは、全く異なる、ということになる。

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コメント

本来の防犯カメラと言ってるものは、正確には再犯防止カメラであり、万引きの意図が無くても要監視対象になるでしょう。確かに防犯ですが初犯は防げません。
現在の防犯カメラは映像の記録だけですが抑止力となり(二次効果ですね)犯罪発生を防ぐ可能性を高めます。
新型でも「防犯カメラ作動中」とすれば抑止力となると、もし言われるなら、
その時点では従来の防犯カメラと何らかわりなく、従来の防犯カメラも正しく防犯カメラと、呼んで問題ないと思われ、一次効果と言われた効果は通常時では副次効果でしかありません。
それともどこかで万引きしたら、全ての店舗(系列外含む)で情報共有するのですか?
それこそ本当の監視社会科ですね。

投稿: | 2017年6月19日 (月) 18時15分

 防犯やくざにご注意を

「不安をあおり みかじめ料を 脅し取る」

身勝手な法解釈は許さない
私たち社会市民は、誰にも知られず移動 行動する自由権がある。

投稿: ご用心 | 2017年6月28日 (水) 11時34分

防犯カメラ。
防犯のためだけでなく、無実の証明の為にも使って欲しいですね。
顔認証防犯システムに登録されている客が来たとしても
盗っていなければ犯罪は犯していないのです。
むやみやたらと人を犯罪者扱いするのはやめて欲しいですね。

投稿: | 2017年9月11日 (月) 00時41分

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